秋に入り虫の音が郷愁を感じさせる十五夜の頃、大橋高校で桃色空間を作り出しいちゃつくバカップルの竜虎は大河の自宅に居た…。

「やっぱりこの時期になるとだいぶ涼しくなるな…。」
「そうね…、今年は特に異常な暑さだったしね…。」
「しかし、いい月だな〜。普段はあのマンションで見えねえし…。」

そういいながら2人で楽しむのは中秋の名月。もちろん高須農場で採れたサツマイモ、スーパーで買った梨、
通学路途中のとあるお宅の敷地から公道にはみ出した栗の木から落ちた栗などをお供え物にし、
ススキは大河とバトミントンで勝負した公園から拝借。
そして月見団子は竜児が作ったものだった…。

「うん、やっぱり竜児の作ったお団子おいしい。」
「そうか、よかった。ところで何でお前少し団子を潰して食べてるんだ?」
「お団子って周りが餅の比率が高くて中央部があんの比率が高いじゃない?だからおおよそ餅とあんの比率が1対1の比率で食べられるようにしてるの…、名付けて『モチアンの法則』」
「お前…、絶対に〇眼の○○ナからパクッたろ?そういうことはやめろ。」
「いいじゃない、向こうだって私たちのネタ使ってんだし…、それに文庫の出版社とアニメの制作会社が一緒だから平気よ!」
「だからってやめろ。気を遣いすぎて俺の神経がすり減る…。」
「あ〜もう、うるさいうるさいうるさい。いい?ニコニコ動画では『公式が病気』に設定されてるの…。要は公式が病気なら何でもありなのよ。これ以上言ったら木刀で討滅するからね。」
「あ〜はいはい悪かった悪かった。そんなことより月見楽しまないと早く寝れないぞ?明日も学校だろ。」
「う、まあね…。」
そんなやり取りの後2人で月を愛でつつお茶をすすり月見団子を味わい残りわずかになった時に竜児は大河に素朴な疑問をぶつけた…。
「そういや大河は粒あん派かこしあん派どっちだ?今日は安さ重視でお月見団子のあんを粒あんにしたけどさ…。もしこしあんの方が好きだったら申し訳ないな…って思ってな。」
「私はギシアン派よ…。」
「いやだから…。」
「よくみたらこのスレまだギシアンが無いじゃない!全く…。」
「お〜い、大河?聞いてるか〜?」
「うるさいわね、私は粒あんとかこしあんよりも美味しい高須棒がいいの!というわけで早速ベッドに向かうわよ…。
「大河!」
ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン
ギシギシアンアンギシギシアンアンギシギシアンアン



〜お・ま・け〜

「あ、もしもし泰子さん?」
「はい、そうで〜す。あ、大河ちゃんのお母さんですね?」
「ええ。ひょっとしたら初孫そろそろ抱けるかもしれませんよ。」
現場を押さえてしまった大河の母親はきっちり報告をしていた…。

後日
「ねえ、大河ちゃん?やっちゃんの初孫はまだかな?」
「「な、何の事(だ)?やっちゃん(泰子)?」」
「シラをきっても無駄で~す。やっちゃんは大河ちゃんのお母さんからお月見してた時にチョメチョメをしていたことを聞かされました〜。」
「「しまった〜。」」
この後大河が高須家に来るたびに泰子に初孫の件を聞かれるので(当然やっちゃんには悪気はなく)赤面し続けたそうな…。



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