夏の終わりに降る雨は嫌いじゃない。
晴れる度に心地よい秋風を連れて来てくれるから。
お天気に恵まれた休日は、みんなにとって最高のご褒美。

「ねー竜児ぃー」
「何だよ大河?」

一見して、目つきは悪いけど端々に優しさが垣間見える男の子。
そんな彼と手を繋いでいるのは、薄い色のワンピースでおめかしした小柄な女の子。

「背中のひもがほどけたから結んで」
「ん…仕方ねえなー」

立ち止まり、少し困った表情を見せる彼女。
彼は日焼けの跡が残る首周りに視線を落としつつ手際良く結んでいく。

「んふっ、ありがと竜児」
「ああ、気にすんな」



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