「おっはよー、みのりん!」
「よう、櫛枝」
「おー……おはよう大河、高須くん」
「何だよ、珍しく元気無いな。どうした?」
「いやー、ちょいと寝不足でねえ……勉強で。
 部活とバイト漬けだった分を取り戻さないといけないから」
「おう、大変だな」
「あれ?みのりん受けるの体育大じゃなかったっけ?」
「大河よ……体育大でも学科はあるんだぜ……」
「え?そうなの?」
「それでさ高須くん、兄貴ノートをしばらく貸してもらえないかな?」
「おう、かまわねえ……っていうか、あれ半分は櫛枝のものじゃねえか」
「……あー、そういやそうだったっけ」
「受験っていえばさ、ばかちー大学行かないんだって」
「おう? マジか?」
「マジ。本人から聞いたんだから間違い無いわ」
「ってことはあれか、卒業したら本格的に芸能界入りか……」
「おおあーみんよ、君はわたしら凡人とは遠く離れた世界へと走り出してしまうのだね……」
「……いや、確かに今みたいに気軽に会うってわけにはいかないだろうけど、それで友達関係まで無くなるわけじゃねえだろ」
「ま、そりゃそうだけどさー」
「だけど、芸能界ってだけじゃいまいちピンとこないわね。ばかちーの奴何するつもりなのかしら?」
「やっぱり川嶋安奈の娘なんだし、ドラマとかの女優じゃねえのかな」
「う〜ん、新人がいきなり出られるもんなのかな?それにばかちーって親の七光りとかあんまり好きじゃなさそう」
「それじゃあさ、アイドルなんでどうかな?あーみんの美貌ならイケると思うんだけど」
「どうかな〜、歌唱力がちょっとアレだからねえ……」
「そうか?川嶋けっこう歌上手いと思うけど」
「はぁ?竜児あんたどんな感覚してるのよ?」
「いや、だってさ、クリスマス会の時上手かったじゃねえか。大河もだけど」
「ふぇっ!? う、上手かった?私が?」
「おう、正直びっくりしちまったぜ」
「そ、そうなんだ……えへへ……」
「お二人さ〜ん、ラブラブするのは後にしておくんなまし〜」
「ひやゃっ!?」「お、おう、すまねえ!」

「でさ、大河はあーみんにはどんなのが合ってると思うのかね?」
「ん〜、バラエティが向いてるとは思うんだけど嫌がりそうだし……やっぱグラビアとかじゃないの?」
「おう、そういや昔そんなこと言ってたこともあったっけか」
「……ちょっと竜児、いつばかちーとそんな話したのよ?」
「えーっと……そうそう、一緒に水着買いに行った時だ。大河と櫛枝が水着選んでる間に」
「ん〜……?確かその時って……あーみん水着だったよね?」
「おう、『このスタイル隠すのもったいない』とかいった感じでさ。川嶋らしいだろ?」
「竜児」
「おう?」
「あんた今、水着のばかちーでエロいこと考えたでしょ」
「おうっ!?何でそうなる!?」
「いやいや大河よ、高須くんだって年頃の男の子なんだし、あーみんのグラマラスボディでよからぬ妄想をしてしまうことぐらいは許してあげなよ」
「櫛枝まで!? 言っとくけどな、俺は断じて川嶋で変な妄想なんてしねえぞ!」
「ほほう……それじゃ高須くんは誰で妄想するのかね?」
「そりゃ勿論たい……って、何を言わせるんだよ!」
「いやいや〜、いつもながらお熱いことですなぁ〜」
「……竜児」
「おうっ!? た、大河?」
「な・に・を・天下の往来で言いそうになってるのよあんたはっ!」
「だぁぁっ!今のは俺のせいばっかりじゃねえだろっ!」
「それじゃ、おじゃま虫はお先に失礼〜」
「あ!こら!逃げるな櫛枝!!」
「だいたいね!妄想するぐらいならほ、本物を直接……!」
「待て!ちょっと待て!大河お前今とんでもないこと口走りそうになってるぞ!?」




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