お、あーみんおはよー…って、第一声が『これはゾンビですか?』はちょっとひどいんじゃないかい?いや、あえて返答するなら「これは高須竜児です」になるけどさ。
まあ、確かにずっと机に突っ伏しておうおう唸ってれば嫌でも目立つけどねぇ。
うーん、『どうしたの?』って聞かれても…今日は大河と別々に登校してきたからおかしいなとは思ったんだけどね、なんでも久しぶりに喧嘩したみたいなんだよね。
大河もついカッとなって『竜児なんてだいっきらい!』って言っちゃったらしいのさ。んで、その結果がこの落ち込みモード全開の高須君ってわけ。
…え?『ならさっさと謝りゃ済む話じゃないか』って?いやいやあーみん、大河の性格はよく分かってるでしょ?あの子も引っ込みがつかなくなっちゃってるんだよ。
ほら、さっきからこっちをちらちら伺ってるけど、どうにもタイミングを見失った感が伝わってくるでしょ?下手に促しても余計意固地になるからねぇ、こちらも下手に動けないのさ。
『ふーん、そうなんだぁ』ってあーみん、そんなににやにやして、なにか妙案でもあるのかい?
…おおう、『高須く〜ん、あんなちび虎なんてどうでもいいじゃない。亜美ちゃんがぁ、慰めてあ・げ・る♪』って…これはまた露骨かつ的確に大河の嫉妬心を煽ってきたね。あ、大河来た。
わーお、『触るなぁぁぁ!竜児は私のものよ!あんたなんかにずえぇぇったい、渡すもんですかぁ!!』…とは、効果てき面じゃないかあーみん。おっと、高須君の目にも生気が戻ってきたね。
『大河、俺が言いすぎた、許してくれ』に、『ううん竜児、私の方こそ酷いこと言ってごめんね』か。うんうん、きっかけさえあればちゃんと素直になれるんだよねこの二人は。
…おや、なんだか違う意味で雲行きが怪しくなりそうな予感が…って、やっぱり!桃色空間警報発令!総員退避、退避ーっ!!
………ふぅ、仲直りするのはいいんだけどさ、いきなり『大河!』『竜児!』ってハグ&キスしちゃうとは…恐るべし、竜虎ラブラブパワー。
でもあーみん、グッジョブだったよ。あの二人をたった一言で仲直りさせちゃうんだもん。今後も喧嘩があったときは頼むよ。
…え?『毎度毎度仲直りのたびにアレを見せ付けられたらたまんねーっつの』って?あはは、まあ確かに毎回あれはこっちも心臓に悪いというかなんというか…ね。
でも、ま。
――――――今日も楽しい一日になりそうだね!




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