「はぁ……テスト勉強って面倒よねえ……」
「おう……そうか?」
「竜児はいいわよ、勉強好きだし兄貴ノートあるし、良い点取れるの確実だもの」
「いや、兄貴ノートならいつでも見せてやるし、大体大河も成績悪くねえじゃねえか」
「それはそうだけど……面倒なものは面倒なのよ。あーあ、テスト期間終わるまでしばらく外国にでも行ってたい気分」
「大河……逃げたって問題は解決しねえぞ。その場合戻ってきてから一人で追試受けるだけだ」
「わかってるわよ、冗談に決まってるじゃない」
「それに、大河が海外に行っちまったらその間俺はどうするんだよ」
「へ?」
「半月か、一ヶ月か……また一人で待たされるのは御免だからな」
「な、なによ、情けないわね」
「何とでも言え。俺はもう二度とお前と離れるつもりなんてねえんだからな」
「…………さ、べ、勉強、勉強しなきゃね」
「おう、頑張ろうぜ」
「そうだ竜児、テストの点数が良かったらご褒美くれない?」
「おう、いいぜ。黒豚とんかつか?」
「……あんたはなんでそう肝心な所で鈍感なのかしらね」
「え?」
「恋人がご褒美っていえば大体決まってるでしょうがこの朴念犬!」
「お、おう、すまねえ」




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