ぴと。
「おうほぉうっ!?」
「……ちょっと竜児、いきなり妙な声出してるんじゃないわよ」
「お……おまえが不意打ちで首筋に冷たい缶なんか当てるからじゃねえか!」
「ふーんだ、恋人の接近に気付かないあんたが悪いのよ。罰ゲームとして冷たいコーヒー一気飲みの刑」
「まさか、そのためにわざわざ買ったのか?」
「ううん、あったかいのと間違えたの」
「……おう、そうかそうか」
「だけどほんと、何をボーっとしてたわけ?」
「大した事じゃねえよ。クリスマスの料理とプレゼントを何にしようかなって考えてたんだ」
「……今から?まだ11月なんだし、早過ぎない?」
「受験の本番も近いし、忙しくなってから慌てるより余裕があるうちに決めておいた方がいいだろ」
「んー、それもそうね……それじゃ、今日は予定変更してプレゼント買いに行く?」
「駄目だ。今日は図書館で勉強」
「ぶー、竜児の糞真面目犬ー」
「大河はまだ何も考えてねえんだろ。だったら来週にでも、ある程度候補絞ってから行くほうがいいじゃねえか」
「むー……仕方ないわね、お楽しみはそれまでとっておくとしますか」
「おう」
「じゃ、今日はお勉強デートってことで、行きましょうか」
「いや、それデートって言うのか?」
「場所や内容が問題じゃないのよ。こうやって竜児と二人っきりでお出かけするのはみんなデートなの」
「……お、おう」



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