「おう、このチーズケーキは美味いな。櫛枝、後で店の場所教えてくれよ」
「OKOK。いやー、そんなに喜んでもらえると買ってきたかいがあるってもんだよ」
「竜児、それそんなに美味しいの?」
「おう、絶品って言ってもいいかもしれねえ。大河の苺のやつはどうだ?」
「もちろん、こっちも美味しいわよ」
「おう、それじゃ一口ずつ交換しようぜ」
「ん」
 言って竜児と大河が皿を取り替えたその瞬間。
「いっかぁ〜〜〜〜〜〜ん!!」
「み、みのりん!?」
「櫛枝、何だ?」
「いかん、そんなこっちゃいか〜んよ! いいかね大河、高須くん、君達は恋人どうしなんだろう?」
「うん」「お、おう」
「だったらここは交互に『あーん』って食べさせあうのが常道ってもんじゃないのかね!」
「みのりん……」「……いや、しねえから」
「何だとぅ!? では唇の傍についたクリームをぺろんと舐めとったりとかは……」
「するわけねえだろ! 仮にも客が来てる目の前で!」
「いやいや、アッシのようなチンケな輩の事なんぞお気になさらず、ささ、お二人でしっぽりと」
「できるかっ!! つか、そう言いながら携帯のカメラを構えるんじゃねえ!」
「ちぇー、せっかく大河の好きそうなケーキを種類被らないように選んできたのにー」
「おい櫛枝……お前、まさか最初から企んでたんじゃねえだろうな……」


「ねえ竜児」
「おう?」
「今度ケーキ買って来る時、違う種類の一個ずつにしてね」
「……おう」




作品一覧ページに戻る   TOPにもどる

inserted by FC2 system