「竜児ー!起きろー!」

大河はベッドの手前から思いっきり踏み切って宙へ。。
爽やかな朝にお似合いな高度1mからのボディプレスが寝ぼけた竜児に炸裂した。

「ぐっほぅ!?」
「あらやだ、ちょっと跳び過ぎちゃった」
「お……おう、今日のは……死ぬかと思ったぞ……」
「ごめんね、竜児。次からはもうちょっと低く跳ぶから」
「……普通に起こしてくれてもいいんだぞ?」
「んー、まぁ、考えとく」
「……おう、頼むぞ」

覆いかぶさる大河を抱きかかえながら起き上がった竜児は目覚まし時計を見やる。
何故か普段の起床時間より2時間程早いところを指していることに気づいた。

「おい大河、この時計遅れてないか?」
「ん? あってるよ。ほら」

大河はもぞもぞとベッドサイドにあるケータイを竜児へと見せる。
そこには確かに目覚まし時計と同じ時刻が表示されている。

「なんでこんな早い時間に……?」
「知りたい?」

突然ギラリとイヤな光を放ち始める大河。
それはまるで獲物を見つけた猛獣のように。
牙を剥く瞬間を至近距離で見てしまった竜児の本能が警鐘をガンガン鳴らす。
今すぐ逃げろと。出来る限りの距離を取れと。

「竜児も男だもんね。朝、目覚めたら辛そうだもんね?」
「辛そう……って何が?」
「そこ」
「そこって……いやいや、これは生理現象だ!」
「今すぐラクにしてやるわ!」

ギシギシアンアン



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