「とら〜のパンツはいいパンツ〜♪」
「なあ大河、それって虎じゃなくて鬼じゃなかったか?」
「あれ、そうだっけ? ま、どっちでもいいじゃない、どうせ替え歌なんだし」
「おう、そうなのか?」
「元ネタは登山電車のCMソングよ。ふにくりふにくらふにくりふにくら〜♪って、聞いた事ない?」
「あー、なんかあるような……」
「んじゃあらためて、おに〜のパンツはいいパンツ〜♪……っと、竜児、あんたそんなにいいパンツ持ってるわけ?」
「はあ? なんでだよ?」
 困惑顔の竜児を大河はびっと指差し。
「鬼」
「どこがだ」
「主に目つき」
「……ぐ……」
「あと、掃除の鬼」
「おう……ま、基本は安物だけど、ちょっと無理して買ったいいのも何枚かはあるぞ」
「それってまさか勝負パンツってやつ? うわキモっ! このキモエロ犬!」
「そんなんじゃねえって。そう言う大河はどうなんだよ」
「へ?」
「さっき自分で歌ってたぐらいだ。さぞやお高いモノを持ってるんだろ? シルクとか」
「んー、シルクの光沢や手触りも嫌いじゃないんだけどね、肌触りでいったらコットンの方が好きかしら。オーガニックのやつが特に」
「おう! オーガニックコットンはいいよな! 実は俺のお気に入りもオーガニックでな」
「あの柔らかな感触がなんともいいわよね……って、なんであんたとパンツ談義で盛り上がらなきゃいけないのよ」
「話を振ったのは大河じゃねえか」
「うるさいうるさい。どうせアンタは私のパンツ姿を想像して脳内でハァハァしてるんでしょうがこのエロ魔犬」
「そんなことしてねえ」
「本当に?」
「お、おう」
「全く?」
「……」
「怒らないから」
「…………まあ、少しは……」
「……よかった」
「おう?」
「だって、竜児がそーゆーことまるっきり考えないって、私が恋人として魅力が無いみたいじゃない」
「お……おう……」
「まあ、それはそれとして、罰として今からスドバで奢ること」
「怒らないって言ったじゃねえか……」
「怒ってはいないわよー。でも、躾はちゃんとしとかないとね」




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