「ねえ竜児ぃ。言いにくいんだけどさ」
「おう」
「うちで数えてみたら下着がいくつか……足りないのよ。おかわり」
「おう。ぱんつならここにあるぞ?」
「ああ。やっぱりね。……もうちょっと盛って?」
「おうこれでいいか?断っとくがくすねたりしてねえぞ俺」
「うんそのくらい。そんなこと疑ってないわよ。いつも穿き換えて前のを忘れてってるだけよ」
「おう知ってる。別に迷惑してねえ」
「でも……洗ってくれたのよね」
「もちろんだ。ちゃんと表示みて洗濯機と手洗いに分けてる」
「……そう」
「お前からしたら恥ずかしいだろうから黙っていただけだ」
「竜児は恥ずかしくないの?」
「俺にとってぱんつっていうのは、お前が穿いている状態のときだけだからな」
「なに言ってるかよくわかんない」
「脱いで丸まってるのは只の汚れものだし、洗濯済みや新品は只の布だよ」
「そっかー。そうよねえ」
「いいから早くメシ食い終われ。片付かねえだろ」
「はーい」

「ねえ竜児ぃ」
「おうなんだ?もうすぐ後片付け終わるから」
「私さ、下着選ぶのがこんなに楽しくなるってさ、知らなかったよ?」
「……おう」
「ここに置き忘れてった中では、その、どれが好きか教えてよ」
「お、おう。後でな……ってかさ」
「ん?」
「穿いてくれねえと、分かんねえっていうかさ」
「……そしたら洗濯済みじゃなくなっちゃうじゃない」
「また洗っとくから」
「あ、それはイヤ。持って帰る」



「ねえ竜児ぃ。なんで脱いだほうをサッと隠すわけ?」
「え?だって洗濯しねえと」
「あんたがそうやって隠匿するから私いつも替えのぱんつ持参になるんじゃないっ」
「おう」
「ゴルフボールじゃないんだからとっとと全部出せっ!ホントに犬かっ!」
「そんなことは、ねえ」
「……真顔で居直ったわね?ぱんつ泥棒の分際で」
「まあ聞け。俺はお前に関係するものならなんにでも触れていたい。そういう世話をしていら
れる時間的余裕が持てるのは学生のうちだけだ。就職結婚した後はたぶんどんなにやりたくて
もお前の身の回りの世話を毎日できる余裕が無くなるはずだ。だから今しかないんだ。かとい
ってお前が恥ずかしいと思う事を強行することはできねえ。そんなわけでこっそりインターセ
プトしては心を込めて洗い、乾燥させ、ひとりのときに広げて眺めて一枚一枚丁寧にお前が穿
いている姿を思い出していただけだ。変態的な執着心は一切ねえ。その証拠にバレたからとい
ってごまかすつもりもなかった。わかってくれ、大河」
「はぅ、はぅぅ……」
「どうした悶えて?分かってくれたか?」
「あんたが始める力説はうざくて聞けたもんじゃないけど結論はいつも同じだからもう、いい」
「そうか」
「私も1年と16カ月前から愛してるぅぅぅぅぅぅ♪」
「元ネタに比べるとずいぶん矮小だな」
「いいじゃない。ぎしあん?」
「おう」

ギシギシアンアン

「ねえ竜児ぃ。か……かぶったり……とかは?」
「……」
「ちょっ、なんで黙るのよっ!ここは『は?』とか呆れるのが流れから言ってデフォでしょう」
「い……一回だけしてみた。けど別になんとも思わなかった」
「したんだ?変態っ!……ああやっと言えた……爽快っ」
「すまねえ」
「す、素で謝られると生々しいね……ところで洗濯済みのでしょ?」
「おう、そりゃな」
「脱ぎたてかぶってみたらナントカ思うのかしら?ねえどうよ?」
「そ、そんなん……かぶってみなけりゃ……分からねえよ」




  ( ゚д゚)
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  ( ゚д゚ )
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  ( ゚∀゚ )
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「ここでこの話は終わりよ」
「おう」



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