すっかり残暑も落ち着いて涼しくなり10月に入った頃、大学2年になった逢坂大河は彼氏の家でゴロゴロしていた。
人は「喉元すぎればなんとやら」のことわざ通りケロッと忘れる生き物のため彼女は少しふっくらしていた…。

「ふぁ〜あ、食べたら眠くなちゃった…。竜児も早く来て一緒に寝ようよ。」
「洗い物が終わったらな〜。それと大河、食ってすぐに寝ると高3の時の二の舞になるぞ〜。」

忠告をするのは逢坂大河の彼氏である高須竜児。傍から見れば神戸や名古屋にいらっしゃる「ヤ」の付く稼業の人と思われるが、普通の大学生だ。
この2人は過去に色々あって告白して付き合う前から半同棲状態でご近所さんだった過去も有るため、見た目は夫婦にしか見えない。

「うるさい。あんたは犬なんだからご主人様を暖めなさい!」
「その言い方久しぶりだな…。まあ大河が風邪こじらせるのも嫌だから言う通りにしますよ…。」
「うん。それでいい。」

何を偉そうに…。と思いつつこうやって大河の笑顔を見れるのは幸せな事なんだよな…。
と思い自分の身を大河の傍らに横たえ2人して見つめあう…。
いつだったか「俺は龍だ!龍として大河の傍らに居続ける!」と言った、そしてこの傷ついても弱い素振りを見せられない虎が心安らぐように
「虎の居場所になり自分のとぐろで守る。」と誓った。そんなことを思い出し大河を抱き寄せうとうとと秋風に包まれ眠りに落ちる…。

「ぅじ…りゅうじ…。」
「ん…。大河か?今何時かわかるか?」
「今は3時半だよ。」
「おう、大河が妙に温かくて寝心地よかったのかもな…。これから寝るときはそうするか?」
「エロ犬…。」
「うっ、仕方ないだろ。本当の事を言ったまでなんだから!俺は洗い物やるから大河はTV見てていいぞ。」
「も、申し訳ないわね…。」

そして大河がTVをつけ15分くらい経ったころだろうか…。
『季節のお便りです。こちら熊本県の農園では栗拾いに来る観光客で…。』

「ねえ竜児、栗ご飯食べたい。」
「おう。おまえ本当に体重大丈夫か?まあ栗拾いは行ってみたいよな〜。」

洗い物を終えた竜児は居間に戻って、虎の横に座り一服し雑談中。

「でもな〜、大抵こういう所は山の中で駅からも遠いしな…。」
「ねえ、竜児。来週栗拾い行こうよ!」
「え!?いやいやまてまて大河。お前俺が言ってた事聞いてたか?」
「うん、大丈夫。近場でいいところ知ってるから…。」
「じゃあ今回は大河に任せるか…。」


そして1週間が経ち…。

「おい。大河ここ?お前の部屋だよな…。ここで栗拾いって言われても…。まさか準備してなかったってオチじゃないだろうな?」
「違うよ。今日はお父さんとお母さんが出張で弟も居ないからさ…。クリ拾いするんでしょ?」
「え、ちょっと待て大河。俺をベッドに押し倒してどうするんだ?まさか」
「ね、竜児?クリ拾いするんでしょ?早くして?」

竜児の視界に入るのは筋の入ったパンツのみで…。

「すまん大河。理性がもう駄目だ…。」
「え?ちょっと竜児?押し倒してどうするの?」
「え〜いクリ拾いじゃあ!」

ペロペロアンアンペロペロアンアン

「ねえ竜児?私は松茸食べたい…。」
「エロ犬散々言ってたのに今じゃエロ虎だな。」
「うるさい!早く食べさせろって言ってるでしょ!」
「大河!?ちょっと待てゴm…。」

ギシギシアンアンギシギシアンアン




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