「さて竜児、準備はいい?」
「おい、なんだよこの目隠し」
「ここにあるコレ、わかる?」
「いや……見えねぇよ」
「えー?あんたなら嗅覚でわかるでしょ?」
「俺は遺伝子レベルで犬じゃねぇって」
「……まぁいいや」
「なんだよその間は……」
「一つは竜児がいつも使ってるリップクリームで、もう一つは私の。どっちがどっちか当ててみろ!」
「それって結構簡単じゃねぇか?」
「ふふん、そんなこと言ってられるのも今のうちだから。せいぜい吠えるがいい」
「……なんかのボスみてぇなセリフだな」

「じゃ、1つ目」
「おう、かかってこい。伊達に毎年乾燥に悩ん」
ちゅ
「……大河??」
「だ……誰が普通に塗るって言った?それじゃ面白く無いでしょ!?」
「マジかよ!?」
「じ、じゃあ、次は2つ目。呆けてないでちゃんと考えなさいよ」
「別に呆け」
ちゅ
「……なぁ、せめて最後まで言わせろよ」
「う、うっさい。それよりどっちがどっちかわかった!?」
「……」
「……」
「……もう1回、1つ目から頼む」




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