昼下がり。

「ねえ竜児ぃ〜」
「おう?」
「新年早々に三連休なのも退屈ねえ?」
「そうだな」
「ご馳走もいろいろ食べたし、七草粥ですっきりしたし。こたつあったかいし」
「いわゆる・・・ナニも済ませたしな」
「いちゃいちゃするのも・・・なんか飽きちゃったね」
「まあな。スポット的なもんだとは思うけど」
「こういうの倦怠期っていうのかな?こう、繰り返してるうちに」
「うーん、そうかもしんねえ。人生長いからな」
「こういう方向で慣れてくって怖いわー」
「日々の暮らしに飽くってやつだ」
「明治大正のインテリはこういうのからブンガク書いたのよね。ひまつぶしで」
「つまり、おれたちも文学的ってことだよなー」
「大雑把なくくりねえ、あー。やめた。文句つける気力も足んない」
「昼寝でもするか?」
「あまりに退屈だと眠くもならないよ。ね、腕しびれてない?」
「おう大丈夫。隙間風入ると寒いだろ?もうちょっとこっちに寄れよ」
「うん。にしてもヒマねー」
「ヒマだなー」

ふすま一枚隔てて、寝てるとばかり思われた泰子がぷっと吹いた。


〜おしまい〜



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