「ふんふ〜ん♪」
「大河、ずいぶんご機嫌だねえ。何かいいことでもあった?」
「何かって……みのりん、今日は節分じゃないの」
「はて? 節分ってそんなに大河が喜ぶようなことあったっけ?」
「恵方巻よ、恵方巻!」
「あー、なるほどなるほど」
「竜児の恵方巻はねー、ちょっとすごいんだから」
「……高須君、の、恵方巻……? えと、どんなふうに?」
「んーとね、太さはまあ普通なんだけど、けっこう長めなのよ」
「黒くて、長いんですか……」
「そ。おなか一杯になっちゃうくらい」
「た、大河の、おなか一杯……」
「ま、私はちょっとしたらお代わりもらっちゃうんだけどね」
「おお、おかわりしちゃうんですか……ごくり」
「長くなる理由が、食べ飽きないように途中で具を変えるからってのが本末転倒だとは思うんだけどねー」
「……へ? 具?」
「去年は普通の太巻きと見せかけて海老カツ巻経由のサラダ巻だったのよね。で、今年は私のリクエストで唐揚げ・とんかつ・牛しぐれ煮なの。あー、今から楽しみ〜♪」
「……ああ、食べる方の恵方巻か、そっか、そうだよね、うん」
「? 食べる以外の恵方巻ってあるの?」
「いやー、無いよねー、私何言ってるんだろ、あは、あはははー」
「……変なみのりん」



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