「なに人の頭触ってんだこるぁ!」
「だってよう、かなり正確なんだよお前の猫っ毛。
 毎朝律儀にニュースと空を睨んでたのがアホらしいくらいだぜ。」
「はぁ!? だからって乙女の美髪を好き勝手陵辱していいと思ってんの!?」
「りょ、……ってお前言葉を選べよ!?
 だいたいさっきまで麩菓子が食べたい、庶民の味が欲しいって喚いてたのはお前じゃねえかよ。」
「それと駄犬フィンガーに犯されるのとなんの関係があんのよ。」
「いいか、今から俺たちは連れ立ってかのう屋に行き、夕飯の材料と麩菓子を買う。」
「当然でしょ」
「帰りに雨に降られたらどうなる?」
「……。 濡れちゃう」
「そうだろそうだろ。 だから俺はあえて危険を冒し、虎の毛並みに手を……」
「な、何てこと、湿気ったらあのさくふわ食感が台無しだわ……!
 大変、ほら竜児! グズグズしてないでとっとと帰るわよ!」
「だからさっきからそう言っ、痛ってぇ!
 バカ、袖引っ張んなボタンが取れる!」


「……高須くんたちって……」
「犯すだの濡れるだの言ってたよ……」
「怖えぇ、あいつらマジ怖えよ……」




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