【髪運】はつうん
古代中国は秦の時代、戦場に夫を送りだした婦人たちの間での流行したまじない。
夫の「武運長久」を祈った妻は、帰ってくるまで一切の「髪の手入れ」を止める。
髪は汚れてボサボサの伸び放題･･･遂には顔も見えなくなってしまう。
(一説には、夫不在の間の『妻の貞操』を守る為とも伝わる)
戦争が終わり、晴れて夫が無事帰ってきた時に妻がまずやる事は、
「髪運の願いが届いた事を感謝し、顔が見えるよう眉より上で前髪を切り揃えること」
この儀式を恩様弓削(おんさまゆげ)と呼び、日本の婦女子の前髪パッツンはこの髪運に遠く由来する。
(民明書房 刊「何故？なに？古代中国の習俗」より)

　くっくくく…竜児は仏頂面を見てもう一度声を殺し笑った。バカにしているわけではない。
ピン留めデコ晒しでいつもより輪郭をくっきり感じる大河の顔を見て無性にくすぐったくなっただけだ。

　殴られるまで、あと0.5秒……。



前髪カットというと『-なつやすみ』だよね♪



作品一覧ページに戻る　　　TOPにもどる