「んっ……んっく……」
「大河、大河。 無理すんじゃねえよ。」
「大丈夫、思ったより太かっただけ……」
「もうよせって、な。 あとは俺が」
「やだ! せっかく竜児がその気になってくれたのに……!」
「だからっていっぺんに頬張らなくてもいいだろ?
 気持ちだけで嬉しいよ俺は」
「ダメなの! 私の気が済まないのっ」
「だったらほら、支えてやるから。 ゆっくりな。」
「うん……っけほ、けほっ」
「ほら、喉突いちまう。 落ち着いてな?」
「ん……。
 竜児ぃ、おいしいよ……。」
「ほんとお前は、いらん無茶しやがってよう……。」



「ああぁぁあうっぜ!うっっっぜ!!
 超うっぜーーーんだよあんたたち!!」
「……なによばかちー、急にキレたりしてさ。
 ほれ、私のイチゴ牛乳あげるからカルシウム取りな」
「超いらねーしそんなハイカロリー甘味!
 だいたいなんで高須くんがこっちの教室来てんの!? あんた理系でしょ!?」
「いや、大河がたまにはこっちで一緒にって言うからよ。」
「だからって……っ!
 ……まあいいわ、それはまあ置いとくとして。」
「なによ、まだ文句あんの?」

「なんで弁当に巨大チョリソーなのよ!!!!!!!11」

「……ダメか?
 久々に大河にリクエストされたんで、俺すげえ張り切ったんだが……」
「いっぺん死ねこのセクハラ馬鹿ップルーーー!!」

 ほんのり桃色の教室内に、亜美の怒声と昼休み終了のチャイムが響き渡る。
 大橋高校は今日もすこぶる平和である。



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