文化祭2―C企画プロレスショー(ガチ)の演目をめぐって暴れる逢坂大河を説得するため、
クラスのみんなが代案を高須竜児に託した。果たして大河を納得させられる企画はあるのか?
高須家で会議は踊る。

 おう大河、もう大丈夫か?次の脚本はペンネーム・くしえだみのりん作、だそうだ。原作コ
ミックスもひとそろい付いてる。

 『純愛山河』企画書
「愛は平和ではない 愛は戦いである 武器のかわりが誠実(まこと)であるだけで
それは地上における もっともはげしい きびしい みずからをすててかからなければならない戦いである――
わが子よ このことを覚えておきなさい」(ネール元インド首相の娘への手紙)
 昭和39年。
 財閥令嬢の早乙女愛(さおとめ あい)は7歳、蓼科スキー場で見知らぬ少年に命を救われた。
命がけで自分を助け、額に傷を負った少年の姿は、愛の心に『白馬の騎士』の面影を残す。
 8年後の昭和47年。15歳の美しい乙女に成長した愛と再会した白馬の騎士―太賀誠(た
いが まこと)17歳―は、愛の理想とは程遠く、自ら『フーテン・タイガー』と名乗って暴力
に明け暮れる不良学生になり果てていた。
 額の傷が原因で誠の両親は不仲になり、家庭が崩壊した事実を知り責任を感じた愛は何があ
っても誠を更正させ償おうと決意する。
 愛のはからいによって名門・大橋高校に編入した誠はそんな彼女を嘲笑うかのように、机投
げなどの暴力と偽乳パッドなどの悪知恵で学園中をかきまわす。
 苦しみ悩みながら「愛は平和ではない。愛は戦いである」というネール元インド首相の言葉
を繰り返し心に刻む愛。そんな愛の傍らに常に寄り添う全校きっての眼鏡秀才、岩清水宏(いわ
しみず ひろし)の一途な思い。
 最終的に大橋高校を追放された誠は、『悪の花園』こと、東京一の不良校・花園実業高校へ
と転校、愛はその後を追い、岩清水も追う。だがそこには強大な敵が待っていた。
 影の大番長・高原由紀(たかはら ゆき)、配下の座王権太(ざおう ごんた)、そして第3
勢力の砂土谷峻(さどや しゅん)との壮絶な対決!そして大河と高須くんの至高の愛の行方!!
(梶原○騎・原作 な△やす巧・劇画 講□社刊)

 配役
 太賀 誠 …逢坂大河(男装)
 早乙女愛 …高須竜児(女装)
 岩清水弘 …北村祐作
 高原由紀 …川嶋亜美
 座王権太 …櫛枝実乃梨(色物)
 砂土谷峻 …狩野すみれ(男装)(特別出演)

「女装……」
「あー。梶○一騎原作ね。中学のとき読みふけったわ。私の格闘の原点とも言えるわね」
「ほー?そうなのか。でもこれは格闘マンガじゃないぞ?」
「なに描いてもワンパターンよ。どうせこの主人公は真っ白に燃え尽きて最後死ぬよ?」
「そうなのか?KCの最終巻を見てみようぜ」
「ね?」
「ほんとだ……最後の最後に誠は愛にくちづけてそのままこと切れてるな」
「え?……きききキスシーンなんかあるっ!?」
 おう、朝の浜辺だな。きれいだけど嫌ならお前が早乙女愛役やればいい。岩清水役の北村か
ら「早乙女愛、僕は君のためなら死ねる!!」って言ってもらえるぞ?なんか一世を風靡した
フレーズらしいし、やっぱヒロインだよな。あ、それじゃやっぱり俺とお前のキスシーンはな
くならねえのか。あっはっは、櫛枝めー!
 おいっ、どうした?なにまた真っ赤になってひっくり返ってるんだ?
 大河っ、しっかりしろ!今度はいちご柄のパンツ見えてるっ!倒れるなら隠せってさっき言
っただろ!てか何で柄が変わってるんだ?え?そこは突っ込むな?おうわかった!
 なにっ?なんだって?
 “やっぱ出来ない”!?
なに言ってんだおいっ。おいっ。


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